明治の雅楽
明治になり、首都が江戸へと移り、政治体制も大幅に変わりゆくなかで、改革を成し遂げた明治の元勲たちは「日本とは・・」という命題になやみ、それまでの文化を否定して徹底的に西洋に傾倒してゆく人や、昔の価値観から抜けれない人など、世代や職業などにもよるかと思いますが、多くの人が揺れ動いていたはずです。
明治の鹿鳴館に始まり、現代でも西洋至高主義の方を多数お見受けいたします。
逆に反対に振れて国粋主義の方も・・
日本は昔から極端に振れやすいので、現在の「平和がイチバン」ってのも、逆に振れるとまた戦前のようになる日が来るのかもしれません。「鬼畜米英!」
意識高い系とでもいうのでしょうか、いわゆる「出羽守」様でしょうか・・(ちょっと違うのかな?)
ちなみに、明治にどんな演奏をしていたかというと・・
ガイズバーグ・レコーディング
なんと、1903年(明治36年)に当時の日本人の音楽の演奏を録音しに来日した技師がいたのです!
その名も
フレッド・ガイズバーグ!
この方は、当時のラッパで収音して(マイクロフォンはまだない)、ダイレクトにレコードに刻む(当たり前ですが一発撮り)という録音方法で当時の演奏家の録音を現代に伝えています。
当時、日本に帰化して落語家として活躍していた快楽亭ブラック(初代)に当代一流の各ジャンルの名人を選んでもらって録音しています。(明治に外人が噺家ってのもスゴイ!)
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こちらは1903年の録音です。雅楽以外の音源がほとんどですが、とても興味深い演奏です。
実際に聞いてみると・・
オイ・・・(-_-;)
てなカンジになってしまいます・・
これは、録音した盤が歪んでいたとか、録音できる時間に制限があったので、緊張していい演奏ができていない・・とも言われていますが・・
いかに現在の雅楽がキレイに演奏しているかがわかるかと思います。
時代を経るにしたがって、「西洋こそ至高!」の価値観からか、音階がしっかりしていきます。
しかし、西洋的価値観が普遍的になった現在では、いにしえの演奏が許されるはずもなく、観客からの反応にも影響され、どんどん洗練されていっている・・ように感じるのは私だけでしょうか?
しかし、たかだか150年くらいでもこれだけ変化しているので、1,000年前の紫式部や藤原道長が演奏していた雅楽ってどんなだったでしょうね・・
もう検証のしようもありませんが、いろいろ想像するだけでも楽しいものです。