日本人になじみのない日本の音楽、「雅楽」
時たま効果音的に耳にする不思議な響きの音楽、「雅楽」はいったいどこで習得できるのだろうか・・?
という疑問を持たれた方は多いと思います。
そもそも宮中や寺社で儀礼音楽の扱いをされていたこともあり、雅楽を家業にしてきた楽家(がっけ)の関係者しか演奏できなかったりで、一般になじみのないものではあったのですが、明治の時代からは一般にも門戸を広げて誰でも演奏してよいことになっています。
しかし、篳篥は塩梅(えんばい)などの特殊な奏法があったり、舌(リード)の調整法が難しかったり、鳳笙に至っては和音の知識がないとチューニングもできない・・などでほとんど日の目をみませんでした。
そして昭和の時代、皇紀2600年奉祝行事の盛り上がりもあり、第一次雅楽ブームが巻き起こりました。現在、なにげに地方にも雅楽の会が存在しているのはそのなごりなんだと考えています。
そもそも指導する先生が少ないうえ、まだ情報の伝達もままならないことから、結構何となく演奏してしまったまま現在にいたり、高年齢化で後継者もいない・・というパターンが多いような気がいたします。
かくいう私も神社関係者だったこともあり、お付き合いのあった先輩に半ば強引に誘われ、楽器まで「ひちりき」なる見たことも聞いたこともないモノを割り当てられました。まだ東儀秀樹氏がメジャーデビューする前のことでした・・・
地方で雅楽をするには・・
雅楽はそもそも家業で一子相伝でつたえればよい・・というような考えであったため、極端に指導者が少ないのが普及のさまたげになっています。
なおかつ、他の芸道と違い、免許制度みたいなものがないので、向上心がかきたてられない・・というのもあるかと思います。
雅楽不毛の地で・・
それでは、アナタはなんで雅楽してるの?っていわれると、昔から日本人なら日本の音楽をやってみたい・・!というおぼろげな思いは抱いていたものの、聞いてみてもイマイチつまらない音楽だなあ…という感じでした。
しかも、私が住んでいるのは雅楽不毛の地、北陸なのです!
はじめはゼロからのスタートだったので何の疑問も持ちませんでしたが、CDなどの音源を聞いていてもなんだか違う感じがますばかり…
これはなんとかしなければ…と全国のツテをたどって行脚していた時代もありました。
そうこうもがいているうちに、一緒に頑張っていける仲間と出会いがあり、ここまで続けてこれました。もちろんよい先生方に巡り合えたのも幸せなことでした。
今でも大したことはありませんが、それなりに聞ける演奏にはなれたかと思っています。
これからは、自分の経験を引き継ぎ、発展させてくれる仲間をどんどん増やしていきたいのですが、なかなか思うようにはいかないのが現状です。
私が所属する雅楽の会を紹介します。
・礼楽研究会(石川県金沢市)
金沢市の尾山神社での 月3回(不定期開催)の練習を基本に、小・中学校での演奏活動など雅楽の普及活動をしています。私はここで雅楽を始めました。
気になる会費はなんと、年間6,000円!気軽に始めれるかと思います。
礼楽研究会ホームページ https://reigaku-ken.com/
・洋遊会(富山県高岡市)
明治11年、明治天皇北陸地方を御巡幸の折に福岡町の島田七郎平邸(現、島田邸矢水苑)で御休息を取られた際に演奏をしてより宮内庁楽師のご指導をいただいている会です。
地方の雅楽会には珍しく、数々の舞楽装束を所蔵しているので、本格的な舞楽まで演奏したいと思っている方にはおススメです。練習は管別練習が毎週土曜日、合奏練習が毎週木曜日になっております。
洋遊会ホームページ http://youyukai.com/
どちらも気分屋な私が続けてこれたような会ですので、これから新しいことを始めてみたいアナタ、既存の音楽に飽きてきた皆様、どうぞ一緒にこの世界に誇る最古のクラシックを演奏してみようではありませんか!