世界最古のオーケストラ、雅楽の歴史
「雅楽」という音楽にあまりなじみがない方は1つの音楽のジャンルだと思われるかもしれませんが、実はその中でイロイロな区分があります。
「雅楽」の歴史は、今から約1400年前に日本に伝わってからとされています。もともと日本国内にも国振歌舞(くにぶりのうたまい)と後に呼ばれる固有の歌や舞が存在していましたが、そこにシルクロードを通って、遠くは現在のベトナム・インド、中国大陸・朝鮮半島を経て伝来した楽器や曲が加わりました。
その後、平安時代中期に行われた“楽制改革” によって雅楽曲の分類や演奏時の雅楽器の編成が整理され、現在の雅楽の形になったと言われています。
現在の「雅楽」は、日本古来の歌と舞、古代アジア大陸から伝来した器楽と舞が日本化したもの、およびその影響を受けて新しくできた歌曲の総体を指しています。
器楽演奏あり、舞あり、歌うこともありという・・
雅楽とは総合芸術なのです・・・!
楽器のみの演奏、「管弦」
「管弦」(かんげん)は太鼓類、吹奏楽器と琴、琵琶の楽器のみの演奏になります。昔は貴族の遊びであったようで、演奏して内輪で楽しむものであったようです。ゆったりとしたテンポで演奏することが多いです。
管弦の代表曲、越殿楽
舞をともなった演奏、「舞楽」
舞楽 左方「萬歳楽」(まんざいらく)
賢王の治世の時、鳳凰が飛来し、「賢王萬歳」と囀(さえず)る声を楽に、飛ぶ姿を舞にしたと伝えられる楽です。 古来より皇室では天皇の即位に奏されます。祝い事に良く演奏される楽曲の一つです。
右方「納曽利」(なそり)
舞台上を活発に動き回る右方の走舞(はしりまい)です。 2匹の龍が楽しげに遊び戯れる様をあわらした舞といわれています。
太食調音取(たいしきちょうのねとり)~
長慶子(ちょうけいし)
「長慶子」は、かの「博雅三位」こと源博雅(みなもとのひろまさ)が作曲したと伝わる太食調の曲です。
古来より舞楽会の最後に左方、右方と共に演奏し、しめくくるのが習わしとなっております。